ここの国のココが好き!

心配ないさ!山名さんのハクナ・マタータのケニアの暮らし Vol.2

2018.1.5

心配ないさ!山名さんのハクナ・マタータのケニアの暮らし Vol.2

ケニア生活2年目の年末、
「新年の御来光をケニアで一番高いところから見よう!」と一念発起し、
日本から持ってきたトレッキングシューズの紐を締め、
同僚を誘ってケニア山(Mt. Kenya)に向かいました。

ケニア山はナイロビから北北東に約200km、
国土の中央部に位置し、国内で最高峰、
アフリカ大陸でもタンザニアのキリマンジャロに続く第二の高峰です。

標高は5,199mと富士山を優に超えますが、
ポーター達(我々とさほど変わらない、ないしは細い体型ながら驚くほどに力持ちで、かつ軽やかに自分たちの先を進んでいきます)の力を借りれば、
専門的な装備はなくても、標高4,985mのLenana Peakまで最短3泊で登下山ができます。

ポーターにはシェフ担当もいて、
毎食、手作りのスープから始まり、
卵や肉などのメインをフォークとナイフで食す登山料理を出してくれるので, 食には困りません。

紙のケースに詰められた何十個もの生卵を、
割れないように、でも豪快に背中にくくりつけ、
長い山道を運んでくれた彼らの姿を見た上で食べる卵料理は、
塩と胡椒など素朴な味付けが多かったですが、
格別な味わいでした。

他にも、体調不良気味になったときに作ってくれた即席のジンジャー・ティなど、
限られた食材ながら工夫されたメニューには
疲れた身体も心も温まりました。

心配ないさ!山名さんのハクナ・マタータのケニアの暮らし Vol.2

砂利道で歩きやすかった林道から始まった山道も次第に勾配がかかり、
緑が濃かった森も、
低木群→草地→岩地と変わっていきます。

遙かにあった山頂も、
顔を上げるごとに少しずつ近く大きくなっていきます。

道脇には、幾何学模様のような葉の構造で降雨を賢く集めるジャイアントロベリアなど、
日本にはない不思議な高山植物があり、
飽きることのない世界の連続でしたが、
さすがはケニア最高峰、簡単には山頂まで到達できません。

心配ないさ!山名さんのハクナ・マタータのケニアの暮らし Vol.2

歩きに歩いてたどり着いた二日目の真夜中、
満開の輝く星空の下、
凛とした空気のなか始まるアタック。

山頂に続く闇夜の斜面に登山者のヘッドライトが点々と連なります。
終盤は既に空に白みがかかり、
日の出が先か登頂が先かで焦りつつ、
最後は岩山をよじ登り何とか到達した山頂、Lenana Peak。

空気は薄く、眠くて頭はもうろう、クタクタの心身。
でも、次の瞬間。

東の空から一点の小さな光が射し、
それまでおぼろげだった周囲の岩肌が次第に、
そして一面に茜色に染まり、
目前の雪や氷河が露わになり、
ここがアフリカかと見まがうほどの美しく、
神々しい光景が登頂を祝ってくれます。

心配ないさ!山名さんのハクナ・マタータのケニアの暮らし Vol.2

麓は赤道付近にありながら、
頂には広がる灰黒色の岩と白銀の世界。
現地語で「神の山(キリニャガ)」と呼ばれるに相応しい場所がそこにありました。

心配ないさ!山名さんのハクナ・マタータのケニアの暮らし Vol.2

ケニアの明るい国民性には笑顔が似合います。
ライオンキングのセリフで有名な「ハクナ・マタータ」は
公用語のスワヒリ語で「心配ないさ」の意味ですが、
この言葉は、困ったこと、間違ったことに直面しても、
なぜか憎めないほどに明るく、
白い歯を見せてカラっとしている彼らのマインドをよく表している気がします。
彼らだってうまくいかないこと、悩むこともあるでしょうが、
ケニアの悠久の大地がそうさせるのか、
いろんな意味で心が豊かなのだと思います。

日常に追われ、
目の前の些細なことに一喜一憂する自分に気づいたときは、
今でも彼らの前向きマインドと、
ハクナ・マタータの言葉を思い出しています。
やっぱり、そんな人たちと出会えたケニア、アフリカが今でも変わらず大好きです。

ケニア山の山頂で新年を迎え、
お土産のマンゴーをたくさん抱えつつ、
一緒に登った同僚と、尽きない出来立ての思い出話をしながら
帰った帰路を懐かしく思い出しました。

心配ないさ!山名さんのハクナ・マタータのケニアの暮らし Vol.2

山名佑樹 山名佑樹
農林水産省林野庁職員。
2013年3月からケニアの日本大使館に3年間出向。帰国後もうすぐ2年が経つものの、なかなかケニアやアフリカへの熱は冷めない。現地でよく聞いた「アフリカの水を飲んだ者はアフリカに帰る」の言葉を今でもちょっと期待する毎日。

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