世界の花屋のなかのこと

Vol.20  芍薬のぐーのなかのこと

2020.6.3

松下です。唐突ですが、私には8歳離れた従兄弟がいます。そして彼は、私が物心ついて、初めて触れた赤ちゃんでもありました。

皆さんは、生まれたての赤ちゃんに触れたことがあるでしょうか?そして、生まれたての赤ちゃんの、思い切り握ったぐーの手の中を、ご覧になったことがあるでしょうか?

力強く握り締めたあのぐーの手の中に、一体何があるのだろう?
8歳だった私は、ぐーの手のひらのなかを、大人の目が届かない隙に無理矢理、自分の小さな手の指で、こじ開けました。あれ、何にもない。日を改めて、大人の目を盗んで、何度も何度も開けました。やっぱり、何にもない。見事に、ぐーのなかには、何にもない。ただひたすら、やわらかで、白い、陽の光に触れたこともない、手のひらが広がっているだけでした。

あれから33年が経ちました。
彼は青年となり、悩み、迷いながらも歩を進め、彼の道を力強く歩んでいます。

芍薬のつぼみは、私に、あのぐーを思い起こさせます。
かたいかたいぐーの中に、幾重もの花びらを秘めています。
ぱっと短時間で潔く花開くつぼみもあれば、ゆっくりゆっくりふくらみながら時間をかけ花開くものもあり、つぼみのまま朽ちるものもあります。
散り方もそれぞれで、何の音?と驚くほど一度にバサッと音を立てて花をおとすもの、はらりはらりとおとすもの。

世界の花屋 のなかのこと

散った花びらは、美しい香りを漂わせていますので、かごやグラスに入れて楽しんでも。
下の画像は、1輪の芍薬が落とした花びらを集めたものと、あまりの素敵な装丁にいわゆるジャケ買いした本。いままさに咲かんとする芍薬を見事に描いていると思います。
走り梅雨の中、芍薬一輪、眺めながら、自分がどうありたいか、どう生きたいか、ぼんやり考えるのもたまにはいいものです。

世界の花屋 のなかのこと

5月、6月の代表花、芍薬も、今年は世界的に、シーズンは短めのようです。
芍薬が大好き、という方も、まだ手にしたことがない方も、この時期だけの芍薬を、ご自宅で楽しんでみませんか?

世界の花屋 のなかのこと

松下

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