小林邦宏の「月に一回 世界一周の旅」

菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~

2018.1.21

菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~

2018年、最初の海外出張は、アジアの各国を廻ってきました。
まず最初に訪問したのが、東南アジア・マレーシア。

実はマレーシアは、日本の花文化を支える大切な国であること、ご存知でしたか?

菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~

日本で主に仏花として使われる菊、日本の最大の輸入国はマレーシアなのです。
特に、お彼岸やお盆といった仏花の季節には、日本へ飛んでくる航空機の中には溢れんばかりの菊が積まれています。

菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~

マレーシアというと、東南アジア、蒸し暑い、といったイメージで、(マレーシアの、一体どこで菊が生産されているのだろう?)と思われるでしょう。
そんな生産地は、首都クアラルンプールから車で北へ4時間ほど、標高1,500m前後の高原地帯、キャメロンハイランド(Cameron Highland、別名キャメロン高原)にあります。

菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~

タイシルクで有名なアメリカ人、ジム・トンプソンが失踪した地としても知られる、少しミステリアスな雰囲気もある場所ですが、(ここは本当に東南アジアなのだろうか・・・)、というほど涼しい場所で、特に朝晩は気温も15度前後と冷えます。日中でも、気温は25度に達することは少ないという、非常に過ごしやすい場所です。

実は僕はこの地は好きなようで苦手でもあるのですが(笑)、というのも、キャメロンへ上っていく道が本当につらい。。。
分かりやすく言うと、日光いろは坂が2時間続くイメージです。とにかく、車に酔います。
そのため、スマホもいじらず、この間はひたすら目を瞑って眠るようにして耐えているのですが、その忍耐が終わると、マレーシアの他の場所とは異なる魅力を持った景色が広がります。

菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~

特にこれは、キャメロンハイランドの名所の1つ、”Highland Tea”と呼ばれる、紅茶のプランテーション畑です。僕もこの景色は大好きで、気分転換も兼ねてよく立ち寄ります。

菊のふるさと~マレーシア・キャメロンハイランド~

そして、上の写真は、僕も何度かステイしたことのある、古きイギリス植民地時代の雰囲気が残るとても素敵なホテルです。残念ながら僕は未経験なのですが、午後にホテルに戻ると、アフタヌーンティーを楽しんでいる人を多く見かけます。

首都クアラルンプールの近くには、カジノでも有名なゲンティンハイランド(Genting Highland)という高原もあるため、キャメロンにはなかなか用がないと足を運ぶことは少ないとは思いますが、菊を通じて、日本人にも安定した人気を誇る東南アジアの、いつもと異なる一面に興味持って頂けるととても嬉しいです。

小林邦宏
「世界の花屋」の仕入担当として、日々、海外を飛び回っています。
これまで訪問した国は100か国以上。
このコラムでは、本などには書かれていないその土地の魅力を随時取り上げていきたいと思います。
instagram: @kunihirokobayashigp