「太陽の島」が生み出すネイティブフラワー～スペイン、ラ・パルマ島～

スペイン・カナリア諸島をご存知でしょうか？
スペインの首都マドリッドから飛行機で南へ4時間弱、大西洋に浮かぶ小さな島々です。

「太陽に近い島」、もしくは「大西洋の楽園」としても知られ、特に夏場は、ヨーロッパ中からバカンスを楽しむ人たちがこの地を訪れます。実際、燦燦と輝きながら島に降り注ぐ強烈な太陽の光は、世界でも有数の太陽光発電の盛んな場所としても知られています。

今回私たちが取り上げる場所、ラ・パルマ島は、そんなカナリア諸島西部に位置します。
別名「Isla Bonita」（イズラ・ボニータ＝美しい島）とも呼ばれるこの島は、カナリア諸島の中でも突出して豊かな緑と蒼く美しい海を持ち、そんな自然の恵みが育んだフルーツやワインはスペイン全土でも人気を誇ります。

さて、そんなラ・パルマ島では、約20年前よりプロテアやピンクッションといったネイティブフラワーの栽培を開始しました。

ただ、島そのものが小さく、農家の皆さんも小規模。でも、良いお花を世界中に送り出そうという熱い情熱にあふれています。そこで設立されたのが、プロテア・ラ・パルマ（Proteas La Palma）。ラ・パルマ島のネイティブフラワー生産組合です。

今回、私たち世界の花屋は、組合長であるエンリケ・フエルタスさん、そしてマネージャーを務めるフランシスコ・モレイナさんと一緒にラ・パルマ島の小さな、でも熱い情熱を傾ける農家さんたちを廻りました。

フエルタスさん

モレイナさん

道中、彼らが何度も発する言葉があります。

「私たち生産者はみな花を愛する家族のようなもの、言ってみれば、”ラ・パルマ農園”なのです」

「みんなで力を合わせて、ラ・パルマの素晴らしい花を世界中に届けたいのです」

現在、50近い農家さんが所属する生産組合。ただ、小規模ゆえ、みなさん、他の仕事と兼業しています。たとえば、学校の先生、会社の秘書、エンジニア、フルーツ農家などなど、、、でも、お花への情熱はどの農家さんも熱いものを持っているそうです。

そんな農家の一人、パブロ・ヤネスさんからはこんなお話を聞きました。

ヤネスさん

「私はプロテアやピンクッションといったネイティブフラワーに囲まれた日々が大好きです。一歩ずつでも、農園を拡大したい。いまは建築業を兼ねていますが、いつかは専業農家としてやっていきたい。もちろん、この偉大な大自然の中で、日々変化する自然環境と向き合い、良いお花を生み出すことは大変な仕事です。でも、組合からのサポートも受け、美しい花を咲かせることができた喜びは何物にも代えられません。だからこそ、私は専業農家として24時間花に囲まれる日々に憧れがあります。」

ちなみに、別れ際、陽気なヤネスさんからはお誘いも受けました。

「私の趣味はバイクツーリングで、大自然に溢れるラ・パルマ島を走るのは最高ですよ。日本の皆さんも是非遊びに来てよ！」

ところで、この生産組合の仕事の内容は多岐にわたります。
商品を農家の皆さんから集めて出荷するだけではなく、もちろん、兼業農家を営む組合員のみなさんの栽培・品質管理の指導も行います。さらに組合員を代表して飼料の調達や海外の顧客との調整なども行います。特に、どんな値段で商品を送り出すかは、組合員の皆さんの収入にも関わってくるため、とても重要な仕事です。

「確かに、大変な仕事です。でも、私たちのお花を通じて、一人でも多くの日本の皆さんにスペインに、そしてラ・パルマに興味を持ってもらえると嬉しいです」

と、フエルタスさんもモレイナさんも笑顔で語ってくれました。

2月、私たちの花と一緒にスペインを、そしてラ・パルマ島を旅してみませんか？

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