小林邦宏の「月に一回 世界一周の旅」

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

2018.4.22

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

3月、台湾を訪問しました。 実は、お花のバイヤーにとって、避けては通れないのが台湾なのです。

北は台北から南の高雄まで多様な気候を持つ台湾は、1年を通じて、美しい花を咲かせます。 いまや台湾新幹線で、北から南まで最短で2時間ちょっとで移動できるのに、この気候の多様さは、花好きの人にとっては天国といってよいでしょう!

どんなお花が栽培されているかご存知ですか? オンシジューム、胡蝶蘭、トルコキキョウ、レナンセラ、リアトリス、エピデンドラム、百合、アンスリウム、グラジオラス・・・もう書ききれません! 特に、オンシジュームをはじめとする洋蘭系と、そして百合に強いのが台湾の特徴で、私たちも多くのお花を買い付けています。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~花の都のマーケットへ~台湾・台中~

そして、日本への距離が近いので、とても新鮮な状態でお花が届くのです。 そんなこともあり、台湾のお花には特別な評価を持つバイヤーも多く、日本の天気予報と同様に、台湾の天気予報をチェックしている方も多かったりします。

僕も、年に5-6回は台湾を訪れ、各地の生産者の皆さんとコミュニケーションを欠かさないようにしています。あ、いや、飲みニケーションかもしれません。(笑)

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

前置きが長くなりましたが、そんな台湾ですが、その中でも最もお花の栽培が盛んなのが、中部・台中市。 台湾の中でも、暑すぎず・寒すぎずのマイルドな気候から、「花の都」といって過言ではありません。僕の台湾における活動拠点も、もちろん台中です。

そんな台中に、もちろん花市場もあり、空き時間を利用して訪問してきました。 その名も、「台中花市」。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

コンパクトではありますが、スタイルは日本の花市場そっくりです。 実際、聞いてみると、日本のスタイルを参考にしているのだとか。

早速、仲卸通りを散歩。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~花の都のマーケットへ~台湾・台中~

通りには、お花や植物を買いに来たであろう方が結構多い。 いくつか店舗に入ってみましたが、印象に残ることがいくつかありました。

まず強烈な印象を受けたことは、ドライフラワーが多い!!

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

この写真のように、店舗の天井は、染めたジプソフィラ(かすみ草)を中心に、吊るされたドライフラワーだらけ。この装飾は、これはこれで面白い。 聞いてみると、いま、台湾のフローリストさんではドライフラワーがブームなのだとか。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

日本でもドライフラワーの人気が着実に高まっていますが、日本とは距離も近いですが、おしゃれの感覚も近いのかもしれません。台湾でも、ギフト用・プレゼント用にドライフラワーを使うシーンが確実に増えているそうです。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

そして、もう一つ興味深いのは、台湾を代表するお花ともいえるオンシジュームが見当たらないこと。ほんと、お店の片隅に微々たるものです。。。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

以前コロンビアの花市場を訪ねた際、”カーネーションは輸出商品で、コロンビア人はバラが好き”という話がありましたが、何と、台湾も同じなのでした。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

”オンシジュームは輸出商品。台湾の人は百合やトルコキキョウが好き”

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

これも興味深い。。。やっぱり、市場に来ると新たな発見がありますね!

ちなみに、こんな商品もたくさん見かけました。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~花の都のマーケットへ~台湾・台中~

お店などでの、商売繁盛・開運祈願ですね! こんな商品を花市場で見かけるのも、台湾らしくていいなあ。

さて、日本と異なり、お花のセリは夕方に実施されます。 ちょうどセリの時間になったので、見学してみました!

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

これは・・・日本と同じだ!!!

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

バイヤーさんの目つきもシビアで、さすが、花の都・台中のバイヤーさんだなと思いながらその様子を眺めていました。セリ会場の裏側に回ってみると、セリを終えた商品が、ベルトコンベアーを流れながら、スタッフの皆さんが慌ただしく仕分け作業をされていました。

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

短い時間ではありましたが、世界の花市場の訪問は、新鮮な気付きを貰えて楽しいです!

ところで、今年は、台中市で世界花博も開催されますので、ボタニカル好きな方は是非チェックしてみてください!

花の都のマーケットへ~台湾・台中~

小林邦宏
「世界の花屋」の仕入担当として、日々、海外を飛び回っています。
これまで訪問した国は100か国以上。
このコラムでは、本などには書かれていないその土地の魅力を随時取り上げていきたいと思います。
instagram: @kunihirokobayashigp