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手前醤油
2024.3.5
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タイのおしゃれ花文化
2024.2.22
小林邦宏の「月に一回 世界一周の旅」 こんにちは、チーフバイヤーの小林邦宏です。 2月、仕事にてタイ・バンコクに滞在しました。 僕もタイ歴はもう20年を超えますが、いやー、本当バンコクは変わりましたよね。 もはや、東京をしのぐのでは?… READ MORE -
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パズルの世界
2024.1.25
世界の花屋のなかのこと こんにちは。前回に引き続き、アートの世界をご紹介します。あいざわです。 今年の冬休みは長めだったので、温泉、外食、初売り!とお休み前の時点では計画は万全だったはずなのですが、実際は重い腰が上がらず、静… READ MORE
アメリカの母の日
2020.4.29こんにちは。フローラルデザイナーのAyakaです。
デスクワークで花とは全く関係なかった生活から、突如花に目覚め、「このまま花の仕事を経験しないまま人生を送ると絶対後悔する」と一念発起し何の経験もないまま花の世界に飛び込みました。
花屋勤務の初日は何十個もの花瓶をひたすら洗って、ひたすら段ボールの解体。大変なこともあるけど、花と花業界で出会う人が大好きで、気がつけば花の業界もだんだん長くなってきました。
世界30か国・50都市以上訪問し、日本やアメリカでデザイナーとしても経験があるので「私って世界で花屋」だな、なんて思っていたら「世界の花屋」さんからコラム執筆のお話を頂いたので、今回はどこよりも詳しいアメリカの「母の日」事情をお伝えします。
毎年5月の第2日曜日、母の日、みなさんはお母さんに何を贈りますか?
日本では母の日は、フラワーギフトを贈ると回答した人が最も多く(54.4%)、次いでスイーツ34.0%・食事(食事券含む)24.0%となったそうです。
(2019年3月楽天インサイト調べ。n=441 母の日にプレゼントを渡す人)
アメリカの母の日も日本と同じ5月の第2日曜日です。
日本のお花屋さんは母の日で年間売上の半分近くを売り上げるお店もありますが、アメリカの花屋にとっても母の日は一大商戦。アメリカのお花屋さんも母の日はバタバタです。
アメリカでの母の日は、子供からお母さんに感謝の気持ちを伝えるだけではなく、子供がいるご夫婦では旦那さんから奥さんに労いの言葉やプレゼントを送ることもあります。
また、ママ友同士や、子供はもう独立したけれど子育てを頑張っていた近所のお母さん、道ですれ違った子連れのお母さんなど、誰かのお母さんには「Happy Mother’s Day!」と声を掛け合ったりもします。
そんなアメリカではプレゼントとして何を贈るのが一般的なのでしょうか?
アメリカでもお花は母の日のギフトとして大変人気で、母の日は一年で最もお花をプレゼントする日の一つです。
お花の他にも家族でブランチやディナーをすることやメッセージカードを送る事が多いです。ブランチやディナーを贈る場合は、レストランに招待して家族でテーブルを囲んだり、小さい子供がいる家庭であれば自宅に招いて楽しいひと時を共に過ごして感謝の気持ちを伝えてお母さんを労わります。
日本では母の日に贈る花といえば、カーネーション、特に赤のカーネーションをみなさん想像されるかもしれません。実際に東京のお店で私が店頭に立っていた時も、カーネーションは切り花、鉢物共にとても人気でした。
一方で、アメリカで人気の母の日のお花は何だと思いますか?
アメリカで人気のお花、、、それはカーネーションではないのです。
カーネーションが母の日のお花として人気があった時代もありました。
公式にカーネーションが母の日のお花として使用されたのは、20世紀。アメリカでアンナ・ジャーヴィスさんによって1908年に用いられ始めました。
アンナさんの亡き母が好きだったお花がカーネーションだったため、亡き母を追悼し、全てのお母さんを称えるために教会に白いカーネーションを献花したのです。その後「母の日の商業化」が急速に拡大し白いカーネションが不足したので、花業界は母親が存命ならピンクもしくは赤のカーネーションを、他界している場合には白のカーネーションを身につけるように提案しました。
この母の日にカーネーションを贈るという伝統はアメリカで60年代から70年代初頭までは続きましたが、現在はあまり見られません。(もちろん今も伝統を守り続けている地域はあるかもしれませんが。)
アメリカ国内ではアメリカ産のカーネーションが容易に手に入る事から長年使われすぎて、創造的な方法で用いられる事もなく低価格帯のアレンジメントやブーケに使用されるようになったため、カーネーションは人気が無くなったのです。
現代のアメリカで母の日に人気のお花、それはバラや芍薬などの華やかなお花です。
実際にはどのようなアイテムが贈られているのか見ていきましょう。
これはクライアントからオーダーを受けて制作したアレンジメントとブーケ。ちょうど芍薬が綺麗な季節なので芍薬を入れて欲しいというリクエストは多いです。
最近はアレンジメントを贈るのが主流でピンクや赤が最も人気の色合いですが、イノベーティブなデザイナーはピンクや赤を用いない高価なアレンジメントを提案することもあります。
こちらは教会から注文を受けて制作した母の日のアレンジメント。
これらのアレンジメントやブーケのように、お客様からオーダー頂く物にカーネーションは全く入っていません。
次は、母の日当日のWhole Foods MarketとTrader Joe’sの様子です。
オーガニックフードなどを多数販売している人気のスーパー、Whole Foods Market。
お昼頃はラックにアレンジメントが所狭しと陳列されていましたが、母の日当日の午後4時には右側の写真のように、商品棚はスカスカに。
母の日特設売り場。好きなお花を選んだら、奥に写っている店員さんが花束にしてくれます。
こちらはカリフォルニアのロサンゼルスを本拠とする人気のオーガニック系グルメ・ スーパーマーケット、TRADER JOE’Sの母の日当日の写真です。チューリップの他にも芍薬やバラなど新鮮な生花がたくさん売られています。
アメリカの国土は広大なので、州や住んでいる都市が違えば住んでいる人の慣習や考え方・支持政党なども大きく違うので一概には言えませんが、少なくともアメリカの首都ワシントンDCでは、Whole Foods MarketやTRADER JOE’Sなど人気のスーパーマーケットでも母の日のギフトとしてのカーネーションはほとんど見かけず(これらのスーパーマーケットでは日頃から新鮮な切花がたくさん販売されていて皆さん自宅に飾る花などかなりの量を日常的に買います。)、フローリストが仕入れする花市場にも母の日だからと言ってカーネーションが多めに用意されているという光景は見かけません。
しかしながら、近年は様々な新色の新たな品種が開発されてきた事もあり「カーネションという昔ながらの花材に再注目しているの!」というデザイナーも出てきています。トレンドは循環するもの。暫く時を経たらまたアメリカでもカーネーションの復権が見られるかもしれませんね。アメリカの母の日について色々ご紹介してきましたが、母の日はお母さんへの愛情と感謝の気持ちを伝える日。「いつもありがとう」という気持ちを伝えることができれば、日頃家族のために頑張っているお母さんは報われるのかもしれませんね。想いを伝える方法はたくさんありますが、有難うの気持ちを伝えるお手伝い役としてお花を選んで頂けるととても嬉しいです。
Happy Mother’s Day to All Moms!
Flapplause Floral Designer Ayaka Tomiyama
慶應義塾大学卒業後、国内金融機関、プライベートエクイティファンド、大手生花店勤務の後、渡米。アメリカでは高級百貨店ノードストロームでのポップアップストア、数々のラグジュアリーホテルでのウエディングパーティーにデザイナーとして参画。
フローラルデザイナー・米国公認会計士。
Instagram: @flapplause
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