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手前醤油
2024.3.5
世界の花屋のなかのこと 2月の初旬、東京では雪が降った翌日、醤油絞りを行いました。 毎年冬に仕込んで何度も天地返し*1をして、一年かけて大切に発酵させたもろみをこの時期に樽仲間たちと絞ります。あまり見ない作業だと思うので、そ… READ MORE -
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タイのおしゃれ花文化
2024.2.22
小林邦宏の「月に一回 世界一周の旅」 こんにちは、チーフバイヤーの小林邦宏です。 2月、仕事にてタイ・バンコクに滞在しました。 僕もタイ歴はもう20年を超えますが、いやー、本当バンコクは変わりましたよね。 もはや、東京をしのぐのでは?… READ MORE -
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パズルの世界
2024.1.25
世界の花屋のなかのこと こんにちは。前回に引き続き、アートの世界をご紹介します。あいざわです。 今年の冬休みは長めだったので、温泉、外食、初売り!とお休み前の時点では計画は万全だったはずなのですが、実際は重い腰が上がらず、静… READ MORE
ルーシーさんの伝えたいニューイスラエルフードの魅力
2017.11.1
はじめまして、浅見麻衣です。
日本メディアの特派員としてエルサレムに拠点を置き、イスラエルを取材して3年半になります。1948年の建国以来、周囲を敵対する国々・勢力に囲まれ、天然資源が限られたこの土地で、現在は「中東のシリコンバレー」と注目されるほどの経済発展を遂げられたのは、「人材の豊かさ」に理由があるとされます。
イスラエルの国土は四国より少し大きい程度で、人口は約870万人。決して大きな国ではありませんが、世界中からユダヤ人が集まり、さまざまな文化が流入・混在しています。したがって、「イスラエル人」と一言でくくることは難しいですが、よく言われるイスラエル人の特徴の一つに「Think out of the box(既存の枠組みにとらわれずに物事を考える)」があります。
日々取材をしていると、本当に多くの「へえ!」という出来事や人に出会います。今回は私が出会ったイスラエル人の中から、私自身いい刺激を受け、「イスラエル人らしい」と感じた女性の一人をご紹介できたらと思います。
photo credid: Zohar Ron
午前5時。イスラエルの商都テルアビブ。この街に住むシェフ兼フードジャーナリストの、ルーシー・ルッソさん(40)の一日はキッチンで始まります。7時までの2時間、有機野菜やスーパーフードをふんだんに使った料理を次々につくり、それを一日分の食事として小分けにし、近隣に住むお客さんに届けているのです。
これは、「豊かな食事が人間を高める」と考えるルーシーさんが2カ月前から始めた「新たなプロジェクト」。その後の午前8時から、娘たちが学校から戻る午後1時半までは、これまで通り「イスラエルのフード外交官」(地元紙)として、テレビ撮影や執筆などを忙しくこなします。ルーシーさんは、アメリカ人の父とイスラエル人の母の下、米ボストンで生まれました。3歳の時に家族でイスラエルに移住し、中部にあるラモット・ハシャビムという村で育ちました。兵役終了後の22歳、ニューヨークに単身で渡り、マンハッタンとスタテン島とを結ぶフェリーの上でウェイトレスとして勤務。そんな時、知人の紹介で、米国の料理界の最前線で活躍しているシェフ、デヴィッド・バークさんに出会ったのが「転機」だったといいます。
「いいレストランは食べてる人の幸せで満ちている。レストラン業に恋に落ちたんです」。日中はデヴィッド・バークさんの助手を務め、夜は料理学校に通う日々を3年送りました。
しかし、イスラエルに帰国後、就いた仕事は新聞記者。兵役中に広報担当をしていたこともあり「書くことへの情熱もあった」ためです。大手新聞社で6年間、昼夜問わず働く日々を送りました。
そして、次に転機が訪れたのは長女の出産でした。「これまでと同じ働き方はできない」と痛感し、比較的自分のペースで仕事ができるフードジャーナリストに転身。実はルーシーさんの母もフードジャーナリスト。昔は母と同じ仕事に就くのに抵抗があったそうですが、この時は「自然な流れ」を感じたといいます。
フードジャーナリストとして書いていた題材の一つが「ニュー・イスラエル・フード」でした。イスラエル料理というと、ひよこ豆のペースト「フムス」やトマトソースに卵を割り入れた「シャクシューカ」が有名ですが、いずれも本来中東や北アフリカの料理。テルアビブでは、お寿司やラーメンなどの日本食も流行していて、お寿司に関しては、東京、ニューヨークに次いで3番目に寿司料理店が多いという統計があるほどです。
定義の難しいイスラエル料理ですが、ルーシーさんは「ニュー・イスラエル・フード」を「いろいろな引用の集合体」だと表現します。イスラエルとの紛争を抱えるパレスチナの料理からもどんどん「引用」します。ルーシーさんは「お皿の上で和平が実現するなら、現実でもそれが可能なはずだ」と信じています。
今は、こうした「ニュー・イスラエル・フード」を世界に広めるべく、自らシェフとして様々な国を訪れ、地元のシェフらと交流しながらイベントを行っています。
イスラエル人は家族との時間を大切にします。ルーシーさんも例に漏れません。仕事だけでなく、母親業も全力。朝の料理を作り終わった午前7時から1時間と、仕事を終えた午後1時半以降は、長女タルマちゃん(10)と次女ダフネちゃん(8)の2人と一緒に過ごす時間と決めています。「ただただ、彼女たちと一緒にいるのが楽しくて仕方ない」と笑うルーシーさん。その膝元では飼い猫もちゃっかり甘えていました。
最後に、ルーシーさんに「幸せの秘訣」を尋ねたところ、「家族」と即答。「私にとっては、料理よりも人間関係の方が重要。家族が一緒にいられれば、豊かな気持ちになれるのです」。ルーシーさんの料理が、愛情と表現力に満ちている理由が分かった気がしました。
ジャーナリスト 浅見麻衣
2004年、慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻卒業。在学中1年間、米ブラウン大学に交換留学し、近現代美術史・建築史を学ぶ傍ら、ラクロス部にも参加。09年、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。同年、時事通信社入社。福岡支社、横浜総局、外信部、政治部を経て、14年からエルサレム支局特派員。芸術、自然、人の心など「美しいもの」を常に追求しています。
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